薬学部に関する体験談を後輩薬学生のために
を目標として、薬学生の体験談を集めています。
今回は薬局実習の体験談を紹介していきます。
体験談を語ってくれるのはこの方。
名前:さっちゃん
大学:大阪大学
実習場所: 大阪府
薬局データ:薬剤師5人、薬局実習生3人
簡単な自己紹介:はじめまして。私は大阪大学に所属している6回生です。よろしくどうぞ。
薬局実習が始まる前に考えていたこと
薬局実習が始まる前には、私の進路は決まっていませんでした。
薬局にするのか、病院にするのか、それとも企業に行くのか、、、、
全然決まっていませんでした。
そのため、薬局実習で薬局に就職したいかどうかを見極めようという思いがありました。
自分が薬局に向いているのか、それとも他の進路の方がいいのかを薬局実習を活かして決められたらと思っていました。
周りの友達も同じ感じだったので、私にとって薬局実習はありがたかったですね。
薬局実習に関して不安に思っていたことはありましたか?
一番不安に思っていたことは、薬局実習で進路を絞ることができるかどうかということです。
薬局実習は2か月半で、長いようで短い期間です。
2か月半の実習中で自分の中で決心ができるかが不安でした。
決心しようとして、決断を急いでしまうのも嫌でしたし、それでも最終的に決定できないのも嫌でした。
私的には非常に難しい薬局実習でした。
コアタイムや土日の実習の有無、1日のスケジュールを教えてください
私の薬局では、10時に実習が始まり、18時に終わるスケジュールでした。
午前中は12時までなので非常に早く感じますが、午後の時間が本当に長く感じましたね。
お昼休みが12時から13時までなので、5時間も実習があってなんとなく大変でした。
門前の医院が休みになると、本当に患者さんが来ないので、時間を持て余してしまうこともありました。
薬剤師の先生から調剤や服薬指導について教えてもらったり、薬学生どうしで話していました。
手が空いている時間こそ、薬剤師の先生と仲良くなれるチャンスだと思うので、積極的に話しかけてみましょう。
薬剤師は5人いて3人が女性、2人が男性でした。
私が一番仲良くなれたのは男性のAさん。
Aさんは27歳の若手で、年が近いこともありとても話しやすかったです!!
薬局実習でどんなことをした?
薬局実習ではたくさんのことをしてきました。
その中でも特に4つのことについて書かせてください。
在宅医療
私は薬剤師さんと一緒に在宅医療に帯同することができたんです。
在宅医療は最近になって、薬剤師の仕事として定着し始め、薬剤師が活躍できる場として期待されていますよね。
私としてはとてもワクワクで、どんな仕事なのか、どんな役割があるかについてとっても興味があったんです。
在宅業務には、薬局に来ることができない寝たきりの患者さんや、患者さんの家族が忙しい家庭などがありました。
中には、家族に見放され、ヘルパーさんと旦那さんと一緒に住んでいる人もいました。
寝たきりの患者さんがとても多かったです。
私の祖父や祖母が寝たきりで介護を受けていることがありましたが、人数的にはそこまで多くないので驚きの連続でした。
日本にはこんなにたくさんの寝たきりの患者さんがいるのかと思いました。
薬剤師の先生が出向くと、非常に嬉しそうな顔をしているのが印象的でした。
在宅医療が本当に役に立っているんだなと思った瞬間でした。
服薬指導
服薬指導を体験することができました。
服薬指導は薬剤師のメインの仕事になるので、薬剤師が自分に向いているかを判断するいい材料になるかなと思っていました。
結果としては、私にはまだまだ練習が必要でした・・・
どうしても患者さんの前に立つと緊張してしまって。。。。
冷や汗が止まらなくて、手が汗ばんできました。
処方箋を触ると汗でくっついてしまうので嫌でした。。。
どうしたら緊張しなくなるのかが分からず、毎回のように汗をかいて、緊張しまくりでしたね。。。
もうやりたくないと思ったほどです。
患者さんが同い年くらいの男性の方だと、奇妙な目で見られているみたいでいやでした。
あらかじめ言おうと考えていたことも言えず、伝えたいことが全く伝わらなかったです。
もっと練習が必要だし、自信を持って堂々と服薬指導ができるようになるのはまだまだ先の話になりそうです。
横に薬剤師さんがついていてくださったので、すぐに助け船を出してくれて、なんとか乗り切ることができました。
薬剤師さん心強かったです!!
学校薬剤師に同行
3つ目のお仕事は、学校薬剤師のお仕事に同行しました。
学校薬剤師と言われても、よくわかっていなかった私にとって、とてもいい機会になりました。
学校薬剤師としての主なお仕事は
の3つがありました。
特に薬物乱用防止のセミナーでは、生徒の前で1時間の授業を行います。
薬物を乱用したらどうなるか?なぜ薬物を使用してはいけないのか?
など、実際の映像や写真を見せながら説明していきます。
生徒のリアクションもよく、薬物がいかに恐ろしいものかを理解できたんじゃないかなと思います。
私もいつかは生徒の前で授業をしてみたいなと思いました。
薬局以外での活動
薬剤師の先生は薬局の中以外でもいろいろと活動をされていました。
正直、私は
薬剤師さんって薬局の中でしか活躍できない!!
って思ってたんです。
でも実際は、けっこう色んな所に顔を出して、活躍できるのが分かったんです。
特に地域の防災会議に参加しているのには驚きでした。
そんな地域に密着した部分の会議にも参加するのか!!とびっくりです。
薬局実習で印象的なこと
薬局実習の中で印象的なことと言えば、やはり色んな薬学生に会えたことだと思います。
私は大阪大学なので、同期の6年制の学生が少ないです。
30人しかいないので、やっぱり周りの私立大学と比べると少ないです。
その中で、他大の薬学生と2人友達になることができました。
2か月半も一緒にいるので、色んな時間を共有できました。
一緒に国試の勉強をしたり、一緒に処方箋を解析したりと。
週末には3人で飲みに行ったりもしていたので、本当に楽しかったです。
私立薬学部だと就活や国試、研究に対する心構えがぜんぜん違うことが印象的でした。
就活はMRや薬局を第一に考え、国試は6回生の1年間で完璧にしていくそうです。
また、研究室はほとんど行かなくてもよく、大学が終わったらたいていバイトに直行しているそうです。
全然違う!!!
周りの友達を見れば、研究職や開発職を目指していて薬局はほとんどいません。
私が薬局に行こうか迷っているのを友達に言うと、「それはもったいないんじゃない??」と言われる歩0℃。
私は本当に行きたいのに。。。
大阪大学では国試対策はほとんどしてくれません。
12月になったら何回か授業があるらしいんですけど、それまでは模試をやるくらいで完全放置。
自分でやらなきゃ!!!
しかも、私の研究室はそれなりに忙しくて、行かなくていいなんて考えられない。。
私立と国立の違いを肌で感じることができたのでよかったと思います。
薬局実習先の先生との関係は?
実習先の先生とは本当に仲良くなれました。
私はドジな方なんですけど、それでも優しく指導してくださいました。
1回も嫌な顔をされなくてよかったです。
昼休みのときに一緒になることがあり、ご飯を食べながら薬局の裏話や将来の話をすることができました。
先生に薬剤師になって薬局で働きたいと相談したところ
阪大出身の薬剤師が増えることは薬剤師業界に大きなプラスになると思うからぜひぜひ!!
と言っていただけて、嬉しかったです!!
背中を押していただいた気がして、本当にうれしかったです!!
薬局実習を乗り切るためのアドバイスはありますか?
薬局実習を乗り切るためのアドバイスとしては、2つだけ言わせてください!!
私みたい人が何を言ってるんだ!!と思うかもしれませんが、ちょっとだけ聞いてみてください。
薬剤師さんに質問すること
薬剤師さんに質問することはかなり大事だと思います。
薬剤師さんは薬に関しては何でも知っているので、ぜったいに私達より詳しいです。
とにかく分からないことがあれば聞く!を心がけていました。
どんなに基礎的なことでも、優しく教えていただけました!!
失敗を恐れないこと
どうしても失敗したくないと思ってしまいます。
私も最初の方は失敗したくないので、服薬指導もしたくなかったし、1回したら失敗してしまうし。。。
でも薬剤師さんに言われたんです。
私も最初は失敗だらけだったし、それを恐れても変わらない。
それよりも色々やってみて、失敗して、どんどん学んだ方がいいよ!!
完璧に見える薬剤師さんも最初は失敗してたんだ!と思えて、なんとなく気が楽になったと思います。
薬局実習は分からないことばかりだと思うので、とにかくいろいろ質問して、たくさん失敗することが大切かなと思います。
薬学部を卒業した後の将来の職業は?
薬局実習を終えたとき、私は薬局で働く薬剤師になれたらと思いました。
もちろん、製薬企業に入って新薬開発に関わるのもいいかなとは思います。
それでも私は患者さんと面と向かって会話をして、患者さんの生活から支えていけたらいいかなと思いました。
製薬企業だと患者さん一人一人の顔までは見えないので。
しっかりと見極めるためにも、企業のインターンなどにも行って最終的に決めていく予定です。
とりあえず自分の方向性が決まってよかった!!
薬局実習の感想
薬局実習の感想としては
やってよかった!!と思います。
とにかく学ぶことがたくさんあったし、大学の中にいるだけでは分からないことばかりでした。
教科書にはこう書いてあるけど、実際はこっち!という場面もありました。
また、私は調剤薬局がいいかなとおもっていたので、ぴったりの実習になったと思います。
2か月半も薬局で働くことができて、薬局の流れや仕組みが分かってきました。
将来、自分が薬局で働いているイメージもできて良かったと思います。